私は長い間、画面の外に視線を向けて来る「俗人(もともと神仏ではない人)」を描いた肖像画や美人画などを集めてきました。
なぜなら西洋ではルネッサンス以降、モナ・リサに代表されるように俗人がかなりの割合でこちらを向いてきます。
ところが同じころの日本画、あるいは少なくとも江戸時代の日本画ではこちらに視線を向けてくる俗人の人物画が極端に少ないのです。
ただ数は少ないのですが、丹念に探していくと、こちらに視線を向けて来る人物画が複数存在します。
それらをカテゴリーに分けると主に六つに分ける事ができるようです。
一つは、禅僧の肖像画(一休など)、戦国武将の肖像画、始祖(藩祖、流祖<千利休や松尾芭蕉など>、美人画、幽霊画、役者絵です。
それぞれの視線の意味には共通している点もありますし、異なる点もあります。
先の投稿で紹介した豊臣秀次の肖像画の場合は、戦国武将の肖像画に当たりますね。
禅僧のことはまだよくわからない部分が多いので、このブログではあとの五つに限定して説明していきたいと思います。
では、次回もお楽しみに。
2件の返信
面白い視点ですね。
視線を6通りに分けて考える。発想が面白いです。
私などは古代瓦のデザインを分類して、その系統から権力の分散が分かりますが、人物には心があり、その人物に視線の動きで何を語らせようとしているのかを考える事で見えないものが見えてきそうです。
ありがとうございます!!!
まさにおっしゃる通りです!!!
目は口ほどにものをいいますからね!(^^)!
引き続きよろしくお願いいたしますm(__)m